人生100年時代にむけた育児計画@育児休業パパ

40代の医療関係の仕事をしているADHDのパパ、ASDのママ、そしてHSCの長女(3歳)と期待の新人(次女0歳)が今後の100年時代を生き抜くためのアイデアや育児計画を検討していきます。晩婚化や男性の育児休暇も重要視される中、このワークライフアンバランスなブログがどこまで参考になるかわかりませんが突き進んでいこうと思います。娘たちが結婚することには後期高齢者になっていそう・・。そのためアクティブな後期高齢者になるための人生計画を立てていきます。

【100年時代を生きるために】乳がんの発生と予後を改善できる栄養パターンとは?(乳癌を予防するための生活とは?)

100年時代を生き抜く中で、「がん」との戦い、また「がん」と共存していく事は今後の社会の中でも考えていかなければならないテーマの一つとなっている。

癌を完全に征圧するための方法は日々模索中の段階ではあるが、まずは「予防的にどう癌を防ぐか」という所に行き着くだろう。そして早期診断早期治療こそが最も重要となってくる。自分だけではなく、パートナーや子供ががんにならないための生活を考えていくことは今後最も重要ではないかと思い記事を書いている。

 

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我々の身体では日々、がん細胞が1日に5000個はできている。だがそのまま放置されていてはとんでもないことになる。

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常日頃、我々が簡単に癌を発症しない理由としては、免疫によって癌が排除されるからであると言うことはわかっている。現在、センセーショナルな話題となっている「免疫チェックポイント阻害薬であるオブジーボなどが話題となっているが、免疫が癌を抑制する上で重要な役割を担っている。(今回は細かい事は割愛)この免疫は生体内の血球が担っていて、今日のテーマの「栄養」はこの血球の維持や生体内の恒常性に大きく関与している。栄養は身体を構成する全てに関わると言っても過言はないだろう。

 

実際にがんを発症しないに越した事は無いが、この栄養の観点から癌の発症や治療にどう貢献できるのかを考えてみたい。

今日、引用するのは今までの過去の報告を洗い尽くして検証しているレビュー論文。

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※インパクトファクター4.196の論文。結構信憑性の高い報告です。

※今日取り上げる内容の結果について引用は本論文の巻末を参照ください

※原則、このレビューの結果の内容を忠実に再現し、自己の見解を加えています

 

この論文はイタリアからの報告で、乳がんを患った患者において栄養的な見地で生存期間をどう延ばしていく事ができるか?またその際にはどういう食材が良いのかを検討している。過去イタリアも乳癌が多かったが現在は減少傾向にある。その疫学を栄養の観点でレビューしている。

 

乳がんのリスク因子としては様々あるが、①対応できない因子、②対応可能な因子に分けてみた。

①現時点では対応しきれない因子として、高齢(65歳以上65歳以下)、遺伝的素因(DNA突然変異や家族歴)、初経前症(12歳未満)、更年期障害(55歳以上)などが挙げられる。他の因子として、最初の妊娠が30歳以上の年齢、不妊で子供がいない、避妊薬の使用、閉経後のホルモン療法、母乳育児歴なしと言うのも挙げられる。ただこれらの因子は調整は困難だ。

②対応可能な環境因子としての食生活や肥満も乳癌の発生率および再発のさまざまなリスクと関連している。特に、肥満は閉経後の乳がん発症における全生存率の低下および死亡率の増加と関連している。

 

過去に様々な食事療法と乳がんの関連性の研究が行われたが、まだ確立はされていない。傾向としては

果物、野菜、全粒穀物、魚を中心とした生活は乳癌リスクを下げる。

赤身肉、加工食品、お菓子や高脂肪乳製品の過剰摂取は乳癌リスクを上げる。

ということのようだ。

また運動を積極的に行っていることも乳癌のリスクを下げる可能性がある

(ただし乳癌に限ったものない)

 

癌予防におけるライフスタイルにおけるガイダンスが、世界癌研究基金/米国癌研究所(WCRF / AICR)で公表されている。

これによると、

(1)健康的な体重を維持する

(2)身体的に活動的である

(3)繊維および大豆をしっかり採る

(4)脂肪(特に飽和脂肪酸)の摂取を制限(バター、マーガリン)

上記内容が乳癌診断後の生存期間を延長する可能性があることを示した。また乳癌の合併症としての肥満、高血圧症、高脂血症、糖尿病を軽減する可能性も示唆している。

 

つまり癌治療においても栄養を導入することの意義が問われてきている。

この論文は特定の食材が乳癌の発生率と再発のリスクに与える影響について今までの報告をほぼ全てまとめ上げて報告をしている。

 

重要なのは、体重管理や質の高い食事を含む健康的なライフスタイルを遵守する事。ここれは乳癌を発症するリスクと診断後の治療に関わってくる。

主に、高カロリー食品(砂糖や飽和脂肪が豊富)の過剰摂取と健康食品(ω-3脂肪酸、天然抗酸化物質、繊維を含む)を摂らない上に運動不足である肥満は閉経後の乳癌および再発のリスク増加と死亡の両方に関連していた。

 

またボディマスインデックス(BMI)と乳癌罹患者の生存との間の相関関係を示した。特に、乳癌診断前の5 kg / m2のBMIの増加ごとにリスク増加が確認されている。BMI以外にも、閉経後の女性でウエストヒップ比と乳癌死亡率との間に有意な正の関連があることが報告されている。つまり慢性的に肥満傾向にあることはリスクに繋がるってことのようだ。そうなると不規則、食生活の乱れ、運動不足全てからもたらされるようでもある。

 

乳癌は女性の疾患でありインスリン様成長因子(IGF)やエストロゲンの増加がリスク因子と言われている。
いくつかの食品および栄養素(例えば、炭水化物、飽和脂肪、赤肉および加工肉)は、これらを上昇させるため、乳癌の危険因子と考えられている。

対照的に、繊維、オメガ3多価不飽和脂肪酸(PUFA)、ビタミンCとE、果物と野菜は酸化ストレスを減らし、慢性炎症を減らすことで乳癌のリスクを軽減する可能性も示唆されている。

過去記事でもオメガ3脂肪酸は脳発達にも関わっており、生理機能を維持するのに非常に重要であることは述べている。

やはり身体の恒常性を保つ、肥満という異常を解除する事が乳癌のリスクを減らすことには間違いがなさそうである。要は身体は健康的な食生活を求めていることになる。

 

以降は、各栄養素と乳癌に関連についての記載をまとめている。

 

この論文中では「地中海式食事」と表現され、特徴として「オリーブオイル」「地中海の魚(オメガ3脂肪酸)」「ワイン、ブルーベリー(ポリフェノール」「野菜(食物繊維)」の摂取により年々、乳癌の発症率を下げてきているという事も述べている。今でも健康面で重要視されている因子であり、それが観察研究でも結果に結びつきつつあると触れられている。

ただ注意が必要なのは、膨大なデータベースを検証した結果、非デンプン野菜(葉物とか)の摂取が乳癌のリスクを減らすか?と言うことはまだ限定的のようだ

 

①赤身肉

赤身肉に関しては、加工肉はやはりリスクを高める傾向を示唆されている。つまり調理段階の過程が発がんリスクに関わると言うことのようだ。高温で調理すると、複素環式アミン、N-ニトロソ化合物、ポリ芳香族炭化水素などの発がん性化合物の生成が増加する。海外では加工肉の消費量と乳癌のリスクが相関するというデータも出ている。

この点も注意が必要なのは「赤身肉を食べない」というのではなく、週に3回程度と間隔を置くことの重要性も述べている(タンパク質、鉄、亜鉛、ビタミンB 12のような栄養源だから)。よく肉食ダイエットとか見るが、毎日、赤身肉を食べても大丈夫とかいう恐ろしい論調もあるので注意が必要だ。数年後に発癌しないことを願う。

 

②脂肪食

低脂肪食は1にゅ年の追跡調査期間で、乳癌を発症するリスクを約9%減少させる可能性があった。ただし統計的に有意ではなかった。また習慣的に高脂肪食を摂取している女性の間ではより大きなリスク低減が示唆された。消費される食事性脂肪の種類や更年期の状態もリスクに影響を与える可能性がある。

メタアナリシス研究では、総脂肪と多価不飽和脂肪が多い食事を摂取している閉経後の女性の方が乳癌リスクが高いことがわかった。逆に、食物脂肪は閉経前の女性に保護効果があるとの事。

最近の系統的レビューでは、飽和脂肪摂取量が多いと乳癌による死亡率および全死因死亡率のリスクが増加するのに対し、ω-3脂肪摂取量は全死因死亡率と逆の関係にあることが報告された。

興味深いのが、大規模な前向き調査の結果、総脂肪摂取量と飽和脂肪摂取量ではホルモン受容体陽性乳癌の発症が増えるとのこと。蓄積した脂肪組織はメタボだけではなく腫瘍形成も引き起こす可能性も考えられている。

結論として、高脂肪食、総コレステロール、トリグリセリドはリスクの増加と関連しているが根拠はまだ限定的。

 

③乳製品

乳製品においてはカオス(良い報告と悪い報告が入り乱れている)。

成分としては飽和脂肪、カルシウム、ビタミンD、ブチレート、ラクトフェリンおよび共役リノール酸などの要因があるが、これは各国で乳製品消費のばらつきが多いため因子として同定できないのが原因とされていた。現時点では乳癌に相関するしないの論調が入り乱れており答えは見いだせていない。

 

④炭水化物

 総炭水化物においてもデータは入り乱れている。結論としては総炭水化物と乳癌の相関については見いだされていない。一方で血糖コントロールは重要とされており、糖尿病はリスクとなるのには間違いは無い。その機序としては、インスリンは成長ホルモンレベルを高め、乳癌細胞の細胞分裂促進作用と抗アポトーシス作用を持つIGF-1の合成を高める点が挙げられている。

 

⑤アルコール

アルコール消費量は乳癌の発症と死亡率に直結している。アルコールの摂取と更年期障害が乳癌リスクの増大と常に関連しているという強い証拠がある。1日当たり10 gのエタノールを摂取するごとに、乳癌リスク増加が高まる報告も出ている。機序としては、
上皮間葉転換、腫瘍増殖および転移形成をエタノールが促進するかもしれないとされている。エタノールは

①アロマターゼ活性の増加

②エストロゲン分解に関与する酵素の阻害

③エストロゲン産生を阻害するメラトニン分泌の減少

④エストロゲン産生の増加を通じて、エストロゲン濃度を増加

などがわかっており、結果としてエストロゲンによる発癌作用を及ぼす可能性がある。またアルコールは葉酸拮抗性がある。葉酸はDNAの合成と修復に欠かせない。日常生活において、習慣的にアルコールを摂取した後は葉酸を摂っておくことも重要ではないのか?と個人的には思う。

 

⑥大豆食品
大豆食品はイソフラボンの食物源。このイソフラボンには弱いエストロゲン活性がある。これはヒトのエストロゲンと類似している。大豆食品と乳癌との関係が物議を醸しているようだ。しかしながら、大豆成分には、抗発癌性および抗酸化性、ならびにアポトーシスを誘導し血管形成を阻害する良い作用もある。さらに、別の報告では大豆イソフラボンの消費量が乳癌の発生率と反比例だったと示した。この保護効果はアジアの集団、特に閉経後の女性でのみ観察、西洋では関連性は確認されていない。考察としては、西洋人女性(3.2 mgイソフラボン/日)よりも、生涯を通じてアジアの女性の大豆食品の消費量が大幅に高いこと(45.9 mgイソフラボン/日)によるものと考えられている。アジアを含む日本の食生活を考えても、味噌や煮豆など豆主体の生活スタイル。大豆栄養素端唄概要がないが、摂り過ぎというのはやはり問題となるか?1回の食事に大豆製品は一つにおさめるなどの工夫が必要なのかもしれない。

 

各栄養素の項目から見てみてが、

実際に日本における日常生活での改善を見越して考えると

 

①果物、野菜、全粒穀物、魚を中心とした生活を心がける

②赤身肉、加工食品、お菓子や高脂肪乳製品の過剰摂取は避ける

③定期的な運動こそが最大の癌発症予防(乳癌に限らず)

④飽和脂肪酸である動物性脂肪(バター、マーガリン)の過剰摂取は避け、不飽和脂肪酸であるオメガ-3脂肪酸摂取を心がける

⑤乳癌を減らしている「地中海式食事」の検討が効果的な可能性

「オリーブオイル」「地中海の魚(オメガ3脂肪酸)」「ワイン、ブルーベリー(ポリフェノール」「野菜(食物繊維)」など ※ただし摂り過ぎ禁物

⑥アルコール摂取後は葉酸摂取も検討

⑦大豆はアジア人は採りやすい環境のため過剰摂取に注意

 

ということになるだろう。完全というのはないが、これら上記を早い内から実施していくことでリスクを1%~2%でも軽減できるのであれば積極的に取り入れていきたい。そんなに難易度の高い項目ではないというのがよくわかる。

我が家でもパートナーの健康維持のため取り組んでいきたい。