子育てを取り巻く環境は、各国のライフスタイルにより大きく変わりつつある。かつては専業主婦に一手に背負わされていた家事育児。しかし様々な権利や自由が交錯しつつある中で生じた「少子高齢化」と「共働き育児」。このギャップを埋める事も出来ないまま、時間だけが過ぎ親も疲弊してきている。
日本では主婦、アメリカでは主婦は「housewife」。しかしアメリカに住んでいる知人に聞くとhousewifeと言う言葉は現在は使わない様になっているとも。理由としては共働き世帯が増え、その世帯にとってはデリケートな言葉でもあるからだ。
共働きになると当然、子供達の世話の難易度は上がる。それは日本も他国も変わらない
この実際問題をどうクリアするか?皆頭を悩ませている。
アメリカも育児で大変。もはやスーパーマンが出動せねばならないくらいだ。
この状況で立ち上がったのが、祖父母たち!(※アメリカの場合)
この記事は英語なので、「へへ、俺、英語読めるぜ!」という人はチャレンジしてみてほしい。
このブログでは要点をまとめて、私見も述べたいと思う。
マーケティング会社の役員であったBillという方が娘の妊娠期に3人のお子さんの面倒のサポートしているという記事。娘さんもキャリアウーマンで双子を産んだことをきっかけに週に3日子供のサポートをしているようだ。ただBillは別の仕事も持っており、仕事と掛け持ちで娘の子供の世話もしているのだという。
後半は別の家庭のケースなども紹介されている。
これらの家庭の共通している事は、「祖父母は自分自身の仕事を持っているにも関わらず子供世帯の育児に積極的に関与していること。そして祖父母にとって子育てのサポートは働いている時よりも楽しいとの事。すごく印象的だ。
アメリカの社会学者は「“intensive grandparenting.”」と名付けている。
日本語訳しにくいんだけど、集中的な祖父母の援助ってことか?
この意義は、祖父母が「特定の時間」ではなく「定期的な時間」をサポートするというコミットメントを指すようだ。祖父母が行うサポート範囲はいわゆる育児だけではなく家事も含む(ハウスキーピング的)ものである。
そのために職場から離れて、あえて祖父母の近くに住むことを選ぶ家庭もある。
最近の調査によると、幼児の約半数、小学校の3分の1、さらには20%の青少年でさえ、週に少なくとも祖父母と過ごす時間がある。今の日本と違う点ではないだろうか?
また、アメリカの統計では仕事をしていた51〜70歳の祖父母のほとんどがフルタイムで働いており、その祖父母は過去2年間で約45%が孫の世話をしていた。と書かれてある。
まず日本に住んでいる人の常識から考えると、そんなことまでせずに保育園に預ければいいのに・・と思うはず。私自身もそれが手っ取り早いとも思った。
しかしそれを許さない事情がアメリカにはある。
一番意外だったのが、アメリカでもまだ育児休暇取得や社員の病欠や健康保険加入などを認めないといった企業が多いという事。これらの制度を持っているのは大企業や理解のある企業にとどまっているのが現状だ。
さらに女性側が復職後に使用する地方のデイケアセンターは月に2000ドル!!(日本円にして20~22万!!)さらに、アメリカは日本と違って子供が生まれると共にマイホームを買う傾向も強いようで、住宅ローンもかさむことになる。ここまでいくと、トータルは日本円にして30万をゆうに超える。一体何のために働いているのかわからなくなってしまう。片親の給料が全て持って行かれるような計算か?
このような現状を何とかすべく立ち上がったのが祖父母。
今回紹介されているケースでは祖父母も仕事を持っているが、週に2,3日もサポートに回ってくれたようだ。
このように祖父母のサポートで成り立っているのがアメリカの見えない現状らしい。
こういう事案が増えると今度は別の問題が生じてくる。
「わが子を守るために子育てを優先するあまり、自分自身の仕事の早期リタイアが増える」という事。それにより自身の老後の蓄えを失ったり、老後のキャリアの喪失や社会とのつながりを断絶してしまう事にもなる。
子育てをめぐる問題は子供だけではない。子育てに積極的であるが故に老後のキャリアを失ってしまう事も包括的に考えていく必要があるだろう。
子供達にも人生100年時代を生きていく権利もあるし、ハードワークに耐えた高齢者もさらに100年時代を謳歌していく権利もあるからだ。
そう考えれば、まずはシッターやヘルパーさんの助成制度というのが最も現実的な気がする。アメリカの一部の企業では、ナニー助成制度(ナニーとはシッターやヘルパーさんのこと)を設けている所もあるようだ・・。がまだまだ先は長そうだ。
振り返ってみて、日本はどうなのだろうか?
実は日本では一部、助成対象となっている(ほとんどの人知らないんじゃないか?)
私はキッズラインという会社を使っている。なぜなら会社が属している福利厚生で助成対象になっているからだ。
実際に使ってみて、質の高さに感謝している。個々のシッターさんにも特殊能力(?)があり、
その経験を元に子供の初期教育にも参画してもらっている。※私の所に来てくれているシッターさんはピアノと英語ができるので、その早期教育も行ってくれている
行ってみれば家庭教師もしてくれるシッターさんなわけだ。
この会社の取り組みは過去に紹介した。専門性を高めるために「育児師」という刺客導入も検討しようとしているくらいだ。
一度、パパもママも各々の環境で、ベビーシッターやホームヘルパーの助成がどうなっているか見てみると良いと思う。特に企業の福利厚生はかなり手厚い。1時間当たりの減額などの規定があったりする。(例えば1時間1000円のシッター代の半額クーポンを発行とか。それも毎時間使える)ぜひ見てみてはどうだろうか?
ウチの場合は週に3日使用で1日当たり4時間依頼している。
こう考えれば、日本はアメリカよりもシッター制度は優遇されている方だ。
ただアメリカでは待機児童の問題はあんまりない(知人談)ようだ。
どうも東京や大都市に人口を過密させてしまっている日本独自の悩みだろう。
もっとうまく産業を地方に分配できたらいいのだけれど・・。
日本もこの保育園問題やシッター助成など。さらに深堀された内容が提示され、周知徹底されることを望む。
まとめるが、
●日本だけじゃ無い。別の意味でアメリカだって大変なんだ・・。
●最初にまずシッターやヘルパーの福利厚生や地区の助成がどうなっているかを確認
●祖父母の助力はどうか?リタイアされているなら祖父母の申し出は積極的に頂く(その際には)祖父母のキャリアも総合的に加味する事。
●この問題を抱える親は声を上げ続けること(選挙行ったり、問題意識を持つ)
子供は宝だけど、それに押しつぶされないようにうまくバランスを取りながら・・。
良い家庭を築けるようになって欲しい。