コーヒーは昔から様々な点で健康維持に寄与する事が知られています。
コーヒーを飲む事で癌のリスクを下げると言ったものや、コーヒーを飲んでから運動すると体脂肪が落ちやすくなる可能性などです。
今回さらにコーヒーが健康にもたらす新しい影響についての考察が加わっています。
「American Journal of Clinical Nutrition」というアメリカの健康科学の雑誌(インパクトファクター6.77)に掲載されている内容。2020年2月にこの論文に掲載されている。2012年11月28日から行われた研究でスポンサーはあのネスレですw
結論から言うと、コーヒーの成分のカフェインが体の代謝活性を上げる事により、コーヒーを飲んでいない状態に比べエネルギーー産生量が増えるために体脂肪の減少に繋がる可能性があるといったものです。その量として1日にコーヒー4杯としています。
代謝亢進にカフェインが寄与するという報告はこれ以外にも実はあり、過去には短期的な運動能力向上や筋力増加に寄与するというものもあります。今回のこの報告は、この代謝のうち「脂肪燃焼」という点に絞ってみた報告となるでしょうね。
ただし、明確なメカニズムはまだ議論の真っ最中です。なぜカフェインが体脂肪を下げるのか?という科学的なメカニズムはまだはっきりしておらず、結果論として体脂肪が落ちているという事です。
体脂肪が落ちるという事はダイエットにおいては効果的かもしれません。
ただし注意が必要なのは、カフェイン摂取量です。
カフェインを摂取し過ぎると、交感神経が優意になるため、不眠症、頭痛、イライラ感、脱水症、緊張感といったような身体症状が合わられることがある。さらに食欲も停滞してしまうので健康管理上も良くないですね。
よくコーヒーを飲みすぎると胃が荒れる。というがむしろカフェイン過剰摂取に伴う神経系の問題と考えた方が良いと考えます。
この論文上ではコーヒー4杯くらいへっちゃらさ!と述べていますが、人種差や代謝機能の違いは全く加味されていません。
欧米は一日に7杯~10杯飲む方もいると言われますが、日本人はそんなに飲まない。またカフェイン代謝は個々人によって異なるため、この4杯も人によっては「むかつき」「胃のもたれ」などを感じる原因にもなります。
ダイエット目的とはいえ、コーヒーをがぶ飲みするのではなく様子を見ながら始めることが重要となるでしょう。
特に気を付けなければならないのは、ほとんどコーヒーを飲まない方が、急に4杯もコーヒーを飲むようになってしまえば、カフェイン過剰摂取となり、頭痛や胃のもたれや吐き気などの不快感に苛まれることになります。
飲むタイミングと自分に合った量(1日1~2杯)から始めていくのが効果的でしょう。
忘れがちなのが、コーヒー以外にもカフェインを摂取する機会がありますので、総カフェイン量を心掛けた生活も考えていく必要がありそうです。
例えば、コーヒーもお茶も飲まれる方は、コーヒー量を上げると共に、お茶はノンカフェイン(ほうじ茶)などに切り替えるなども効果的かもしれません。
そして、運動する直前にコーヒーを飲む!というタイミングもあったりするかもしれません。私もジョギングする時は極力ブラックコーヒーを飲むようにしています。
まさかとは思いますが、加糖入りのコーヒーは厳禁でございますよ(笑)
それじゃダイエットにもならないし、加糖は糖尿病やがんのリスクも高めるという報告がありますので・・。
また、長年貯め込んだ脂肪は、このコーヒーだけでは改善しません。だって24週間行われた試験で3%程度しか体脂肪が落ちていないからです。
なので、コーヒーによる体脂肪減少を盲信せず、日常生活の+αとしてコーヒーを活用していくというのが正しい考えのようです。
※ここからは完全な私の私見ですが、カフェイン摂取は・・交感神経優位になるので、興奮作用による生理機能亢進に伴い脂肪からのエネルギー代謝が促進されちゃったりするのかな~とコッソリ考えてます(あくまで私見ですがw)
皆様も飲みすぎず、適度な量での良いコーヒーライフを送って頂ければと思います!
ちなみに私の好きなコーヒーはこちらw
【論文の詳しい内容はこちらに記載します】
【目的】インスリン感受性に対するコーヒー消費の影響に関する無作為化プラセボ対照試験。コーヒーがインスリン抵抗性を改善できるかどうかを調べた。
【方法】
126人のインスリン抵抗性の被験者(中国人、マレー人、およびアジア-インドの35〜69歳の男女)を対象に24週間のランダム化プラセボ対照試験を実施。
【結果】
コーヒーの摂取量はインスリン感受性に影響を与えなかった。
結論:
24週間カフェイン入りコーヒーを4カップ/日摂取しても、インスリン感受性やインスリン抵抗性の生物学的メディエーターに有意な影響はありませんでしたが、FMのわずかな損失と尿中クレアチニン濃度の低下に関連していました。
体脂肪減少も他のライフスタイル(運動や食生活)なども考えられそうなものだが、一応この試験では影響は軽微としているようではあります。