企業が考える「育休」ってなんなんでしょうね~。
先日(といってももう1ヶ月前)、「会社で育休取得した管理職にインタビューする」という一環で人事部から来たスタッフが私にインタビューしに来た。(女性スタッフ2名)。
先にうちの会社の簡単な概要をご紹介。
うちの会社は業界の中では規模は小さい方で、ひとりひとりが専門職でありながらマルチタスクをこなすという・・これまた世間には少ない不思議な業態。
そうなると業務内容は当然裁量労働となり、世間一般で言うブラック企業に近い物でもあった。
最近はワークライフバランスとかダイバーシティとかの表面的な言葉が流行り、残業はしないようにはなってきた。というか、定時になったら「管理職は帰れ!」との事。それはそれで理不尽w。会社で仕事ができなくなると言うことは仕事は累積するわけで、結局家でやってしまわざるを得ないという悪循環。とある課長さんは、家に帰ったら子供の面倒で仕事ができないので、近場のカフェで仕事・・とかいう涙汲ましい事に・・(それなら人を雇えw)。
そういう会社の管理職で働いているのですが、私は2ヶ月の育休を取った。
このおかげで私は会社の中では有名人\(^O^)/。
なぜなら、このブラックな業態で管理職で部下もいるのに育休を2ヶ月も取ったぶっとんだ奴が私だからだ😚。
本社でも有名人になったからか、育休取得した管理職へのインタビューの一環として2人のインタビュアー(刺客?)を送り込んできた・・。のだと思う。
表面上は紳士的には対応するけれど、状況によってはバトルかな?と内心ドキドキ💗
インタビューが始まり、いきなり相手から出会い頭のパンチをもらった。
20代半ばくらいの新卒あがりチックな感じの人事部女性スタッフの第一声が・・
「良くこの会社で、しかも管理職なのに男性で育休を取ろうと思いましたよね~」と。
ん・・?なんか違和感を覚えたのは私だけだろうか?
さらに、「管理職で育休を取るのは凄いことだと思います。だってこの繁忙期で部下がいるのに取得するというのは凄くハードルが高くありませんでしたか?」とのこと。
ん?
やっぱり俺の違和感当たってる?これは人事部がいうコメントか?
それともこのインタビュアーが未熟なのか?
なんかインタビュー受けながら、逐一こめかみがぴくぴくしてしまう\(^O^)/
しかもどーでもいいようなことばかり聞いてくる。
・育児期間中に大事にしていたことは何ですか?
・育児期間中のママに変化は?
・育児期間で最も大変だったのは?
とか。どこかの冴えない新聞記者の質問か?と。
私は作り笑顔でほいほいっと答えていく。どーでもいい質問だし。
こんな変なやりとりが30分近く行われて、ようやく本題に。
※すげー長い、ピントのずれたアイスブレイクだな・・。と感じました。
「育休が進まない理由は何だと思いますか?」
「企業が考える育休の在り方とはどういうものですか?」
なんとなく、このインタビュアーでは話になりそうにないなと思い、上長の女性スタッフ(係長)に、私から「逆にご意見を聞きたい」とのことで会話に加わって頂く。
以下、大体のやりとりを記します。青:ねじれ、緑:人事
ねじれパパ「育休が進まない背景には3点ほど思うところがあります、①今の社会の風潮と②企業側の考え方と③社員の考え方にあるかと思います。」
ねじれ「①は未だに育休は女性の制度であり男性は外で働くべきという風潮。また、家事育児は女性が関与するのが妥当じゃないのかという考えなど。共働き世帯が増えている中ではこの概念は変わりつつありますがまだまだです。」
ねじれ「先に③ですが、育休を取得することで自身のキャリアに影響してしまうのではないか?と言う考え方と、自分が取得することで周りに迷惑をかけたりしてしまうのではないか?さらに自分しかできない仕事の場合はなおさら。また今後お金がかかるのでできるだけ給料を落としたくないという考えもあるかと思います。」
ねじれ「②企業の考え方については、むしろどう考えているのか教えて頂けませんか?」
人事「企業側としては権利なので取得して頂くのは個人の裁量次第と考えています」
ねじれ「他になにかないのですか?」
人事「ライフワークバランスのために社員が働きやすいように制度設計をしたいと思っています」
ねじれ「取得推進や現時点で不安に感じている社員への伝達などは?」
人事「取得は個々人の判断ですので・・。キャリアは阻害されないようにしたいです」
ねじれ「おそらく個々人の判断に任せていたら誰も取得しないと思います。キャリアが阻害されないようにとのことですが、どうやって判定されますか?相談したとしてもすでにその社員のキャリアは閉ざされているかもしれません。そうなると人材を損なうことにもなります。今までに男性で育休を取得した方はおられましたか?」
人事「本社スタッフで数日取得したケースはあります。」
ねじれ「それは育児休暇と慶事休暇、また有給を加えたくらいの物ではないですか?」
このあたりで、本社スタッフの顔が曇ってきたので、ちょっと休憩をくださいと時間をおいた。もうすでに1時間経っていたので、ぶっちゃけ疲れたし、部下にちょっと指示出しの時間も欲しかったし。
人事部の係長もこの休憩時間にどこかに電話をしていた様子。
休憩後、あちら側からの第一声が・・
人事「部長がねじれ課長と話をされたいと言っています。この日程でアポイントを頂けませんか?」
ねじれ「!!??」
やべえ・・本社に火をつけてしまったか?
人事「いくつか確認をしたいのですが、うちの会社では育休が取りにくいと言うことでしょうか?また、なぜそう思われるのでしょうか?」
ねじれ「うちの会社だけではなく、今の日本の企業で男性側が取りにくいのかもしれません。実際に日本での男性の育休取得率は5~6%程度です。いくら企業や社会が枠組みを作っても取り手がメリットがなくリスクだと感じてしまえばそれまでかと思います」
人事「なぜ育休取得がリスクと思われますか?」
ねじれ「(くっ!堂々巡りかよ)。やはり個々人でキャリアの弊害になったりすることや他社に任せないタスクを持っていたり、給与が下がることが原因かもしれません」
人事「あなたはそうは思われなかったのですか?」
ねじれ「ワークライフバランスという言葉があるように、長いキャリア育成を考えると、家庭に寄り添う時間が今後のキャリア育成に繋がると考えましたので取得しました。個々人のキャリアによって変わりますが、私は家庭あっての仕事と判断したため育休を一つのキャリアとして取得しました」
人事「人事部としてはどのようにあるべきですか?」
ねじれ「(今まで検討してないのか・・?)イメージを変えて頂ければありがたい。育休でキャリア弊害にならないという実例で今回のケースを使って頂いてもかまいません。また給与面二関しても、月に80時間までなら緊急時に臨時で時短勤務も可能です。男性専門職でそのことを知っている人は少ないかと思います。社会保険料がなくなり育児休業給付金が加われば実質の手取りの減少も抑えられる。その点も考慮されてみてはいかがでしょうか?」
人事「参考になります。」
ねじれ「と言うことで・・人事部長にお会いまでしなくても大丈夫ですよね・・?」
人事「いえ!!今後の制度改革の一環でご意見を頂きたいので部長にお逢いして頂きます」
・・え?なんかもう確定事項のようなものの言い方に変わってるんだけど。
念を入れて再確認したが、今回の部長面談は制度改定に向けての実例導入をしたいので、逢ってもらいたいとのこと。自分のbossに「人事部長に呼ばれました・・」と言った時のbossの3度見の表情を今でも覚えています。
最初は更迭かと思ったわー。
もう過ぎた話ではありますが、会社の人事も所詮そんなものです。
自分のキャリアは自分で作る。
自分のキャリアが家庭のサポート無しにして得られないのならば、一定の時間は課程をサポートして、後の憂いをなくしておいてから本業を頑張る。
(家庭のサポート無しで極められるキャリアならば止めませんがw)
会社の理論や雰囲気に絡め取られて育休を取れないのであればそれまで。
「虎穴に入らずんば虎児を得ず」で自身のキャリアと子供の将来を考える男性社員は育休を取得してみてもいいのではないでしょうか?
取得してみて思いましたが、他社は別に人が育休を取ることに関してそんなにマイナスに感じない物なのだな・・と自分のことではありますが感じました。
周りを気にしすぎる事が育休の流れを止めているのかもしれませんね。
部長対談はまたアップいたします😃
世界に誇る「パパの育休制度」とらなきゃ損かもですね😉
なんでもかんでも会社基準、人事任せとかにしていたら後悔しそうですよ。