個人的には凄く感動した研究結果。
なんと、皆が抱えているストレスが測定できるかもしれないというのだ!
記事を読めば分かることではありますが、大阪大学のチームが老化に関連すると言われる「αクロトー」(α-klotho)の血中濃度がストレスを感じている人ほど上昇することが明らかになったと報告した。
このストレスは人にとって精神的、肉体的にも健康を維持する上でのリスク因子である事は誰もが知っていることかと思います。ただ、このストレス。どうやって計測する?
顔色見て判断するわけにはいかないし。
話を鵜呑みにして判断するわけにはいかないし。
何かしらの指標が欲しい。けれどもそれはわからない。と言うのが現状でした。
それを数値化して程度が分かるというのは非常に面白い発見です。
実際に論文にアクセスしてみました
Implication of alpha-Klotho as the predictive factor of stress
https://jim.bmj.com/content/early/2019/07/18/jim-2018-000977.long
大阪大学での健康診断で採取した血液を利用した研究で、事前にライフスタイルにおけるストレス度合いをアンケートを通じて取っておく。そしてストレスのバイオマーカーとして注目していたα-クロトー(αKl)の血清レベルを確認しています。
結果として、男性においてこのαKl(論文中では可溶性αKl:sαKl)のレベルがストレスにより睡眠不足の被験者で有意に上昇していたとの事。
この他にもストレスを計測する指標(Kessler Screening Scale for Psychological Distressスコア)というもので再現性を見たところ、sαKlとこのスコアも相関していたとの事。このsαKlが男性の心理的ストレスに相関する可能性を示しています。
おそらく今後も再現を取る検証を重ねる必要はあるかと思いますが、
将来的にこの検査が健康診断に入れられると・・。
「ちょっとあなたストレスがとんでもないわよ!有給取りなさい」
「あなたはかなりのストレス状況よ。転属か転職なさい」
とかなったりして・・w
分かったところで抜本的な解決はちょっと難しいかもしれませんが、自身のライフスタイルを見直す際に活用ができると面白いかもしれませんね。
一方で真面目な話。このsαKlを阻害するとどうなるのか?また阻害抗体というのは作れるのか?個人的にはこのあたりが気になります。
ひょっとすると老化を止める術になるとかもありえるのでは?