空前の健康ブーム。
それに拍車をかけているのが、これからの人生100年時代をどのように健康に過ごしていくかの意識が背景にあったりするのだろう。
下記に、スポーツ庁が公表しているデータがあるのだが、
ぶっちぎりで皆やっているのがウォーキング。
(引用)スポーツ庁
https://www.mext.go.jp/sports/content/1413747_001_1.pdf
まぁ、そりゃあ・・楽ですもんね。
それに気軽に始められるし、日常にも合わせやすい。
皆が最初に選びやすいのは間違いが無いでしょう。
このウォーキングが認知機能向上に効果的という報告は、色々なところで言われています。マウスレベルではありますが、
①ウォーキングは脳血流量を増加させるという報告・・
※Cholinergic neural regulation of regional cerebral blood flow.
【Alzheimer Dis Assoc Disord, 9: 28-38, 1995.】
※Aging of the autonomic nervous system and possible improvements in autonomic activity using somatic afferent stimulation. 【Geriatr Gerontol Int, 10 Suppl 1: S127-136, 2010.】
※Control of cerebral cortical blood flow by stimulation of basal forebrain cholinergic areas in mice. 【J Physiol Sci, 61: 201-209, 2011.】
※ Layer-specific dilation of penetrating arteries induced by stimulation of the nucleus basalis of Meynert in the mouse frontal cortex. 【J Cereb Blood Flow Metab, 33: 1440-1447, 2013.】
などなど・・数え上げればきりがないです。
ラットでの検証になりますが、アセチルコリン神経を活発にすることによって、大脳皮質や海馬のアセチルコリンが増え、脳の内部の血管が広がり、血液の流れが良くなる事が一つの理由のようですね・・。
今回はウォーキング時の適度な足裏を介した軽度の衝撃が認知機能や脳機能の維持に関わる可能性があるという内容が「iScience」に掲載されていました。
impact factor:5.524の論文です。
この内容におけるプレスリリースが開示されていました。
かなりわかりやすい図を引用してくれています。
マウスレベルでの検証ですが、
「運動→頭部に適度な衝撃→脳内間質液流動→脳内の細胞に力学的刺激→脳内の細胞の機能調節」という一連の流れを調べられています。
日本からの健康を意識した次につながる可能性のありそうな報告です。
特に、障害などをお持ちで運動機能が制限されている方におけるデバイス開発にもつながる可能性もありますし、昨今の健康ブームにさらに拍車をかけ「より一般の人も健康を意識したウォーキング」に繋がる可能性があります。
過度の負荷は加齢と共に耐えられなくなるので、軽度の刺激で続けられる事は良い事ですね。
人における検証は複雑でなかなか難しいですが、
今はまず「運動は健康や認知機能改善に良い」という事からも運動を促進し万病を予防する事が重要という概念には繋がると思います。
さて、私も2駅分くらい歩いて通勤しよう!
(注)あくまでもマウスでの検証ですので、ヒトでの確実な効果を推奨するものではないのであしからず。(個人的に、歩いてるから認知機能維持できてるぜーというポジティブなマインドも実は脳機能を活性化するかもしれませんw)